1話 妹の処女を奪った日

「え、告白?」

 リビングのソファでくつろいでいた僕に話しかけてきたのは、二つ離れた妹の優香だった。
 さっき風呂から上がったようで、黒髪がしっとりと濡れていてシャンプーのいい匂いがする。ちゃんとピンク色のパジャマにも着替えていた。

「うん。同じクラスの男の子から、『付き合わない?』って……」

 少しだけ頬を赤く染めて、もじもじとした様子で優香はそう答えた。そして、肩まで伸ばした黒髪をくるくるといじりながら、これ、とスマホの画面を見せてきた。
 そこには、そのクラスメイトらしき相手とのトーク画面が映っていた。

『瀬田さんってもう彼氏とかいたりするの?』

『いないいない! できたこともないよ』

『え、意外ー! めっちゃかわいいのに』

『かわいくなんてないよ~』

『いやいや全然そんなことないって笑』

 とりとめのない会話が続いている。その一番下だった。

『じゃあさ、俺と付き合ってみない?』

 その一行を見た瞬間、ずき、と胸の奥が痛む感触がした。その動揺を悟られないように優香に問いかける。

「優香は、なんて答えたんだ?」

「とりあえず『考えさせて』って返しておいたよ。その、まだ付き合うとかよくわかんないし……」

 その言葉にほっとする。そうだよな。優香は中学二年生なんだし、そういうのはまだ早い。
 だが、そんな僕の安堵をかき乱すように、優香は「でも」と言葉を続けた。

「ちょっと興味はある、かも」

「え……」

 口元を手で隠して、恥ずかしそうに優香はそう口にした。
 ぐわん、と視界が歪んだ気がした。今まで優香と一緒にいて、恋愛に興味を持つ素振りを見せたことなんてなかった。
 それが、こんな風にほかの男からの告白に女らしく恥じらう姿を見せるなんて。

「優香」

 思わずソファから立ち上がって彼女を見下ろす。頭一つ分小さい優香は少し驚いたような顔を僕に向けていた。

「な、なに? 兄さん」

「まだそういうのはいいだろ。……そういうのは、もっと大人になってからでいい」

 違う。大人になってもしなくていい。
 まともに育児をしない両親の代わりに、優香が小さい頃から僕が面倒を見てきた。無垢なままの優香は、僕にとって一番大切なものだった。それが、誰か別の男のものになって、どこかへ行ってしまうなんて耐えられない。

「そんなこと、ないよ。友達にも男の子と付き合ってる子いるもん。……その、私だって、デートしたりとか……キス、したりとか、してみたいの」

 その言葉に、自然と想像してしまう。同い年くらいの男とそういうことをしてる場面を。
 心臓が抉り出されるみたいな感覚だった。そんなこと、耐えられないし、許せない。だったらいっそ僕が──

「……優香」

「え、にい、さん……?」

 彼女の両肩をつかむ。強い力で握りすぎてしまったのか、びく、と優香の体が震えた。
 でもそんなのどうでもよかった。僕はそのまま彼女の顔に近づいて──

「ん……っ!」

 唇を奪った。実の妹である、優香の唇を。
 驚いているのか、優香は抵抗したりすることはなかった。わずかにその体を震わせただけ。
 そのまま彼女の唇の感触を味わう。まだ誰も知らない、優香の紅い感触を。
 風呂上りのせいなのか、手で触れている肩より熱を持っている。そして、極上の果実のような柔らかさは、どんな男でも虜になってしまいそうだ。

「ん、は──」

 だが、少し経つと自分の行為の愚かさに気づいて唇を離した。
 最低だ。優香の意思を無視して唇を奪うなんて。一気に血の気が引いていくのがわかった。

「にい、さん……」

 僕を呼ぶ優香の声に、そちらに視線を向ける。
 嫌がっていると思っていた僕の考えとは裏腹に、優香はどこか惚けた顔をしていた。ぼうっとした瞳で僕を見つめ、接吻の感触を確かめるように唇を指でなぞっていた。

「キス、って……こんな、感じなんだ……」

 僕の身勝手な行為に怒るでもなく、優香は虚ろな口ぶりでそう呟いた。
 どくん、と心臓が跳ねる。僕は、知らない。こんな、女らしい優香の顔を。
 それが、ほかの誰でもない僕に向けられている。それを僕は嬉しいと思ってしまう。そんなの兄が抱いちゃいけない気持ちなのに。

「ご、ごめん。優香……僕、先に寝るから!」

 そんな自分の感情から逃げるように、僕は優香に背を向けた。

「あ、兄さん──」

 後ろで何か言っている声が聞こえたが、聞こえないふりをして二階の自分の部屋へ逃げ帰った。
 ──そのあと、僕は妹で自慰をした。初めてのことじゃない。本当は前から優香のことを兄妹以上の目で見てしまっていた。
 不倫相手の家に入り浸っている母と、それを見て見ぬふりをして仕事ばかりの父。そんな両親と違って、どこまでも純粋な優香に僕は惹かれていた。
 だから、誰かのものにならないように、その前に僕のものにしてしまいたいなんてことさえ思ってしまう。
 その欲望がべっとりとついたティッシュをゴミ箱に投げ捨てて、その日は眠りについた。


「あ、おはよう、兄さん」

 翌朝、僕と顔を合わせた優香は、いつもの明るい笑顔で挨拶してきた。昨日僕にいきなりキスされたというのに、何事もなかったような態度。
 その後も、僕の作った朝食を美味しそうに食べて、元気に学校へ登校していった。もしかしたら、昨日のはただの兄妹のお遊び程度に考えてくれたのかもしれない。
 その予感が当たったのか、しばらくは何事もなく僕たちの日常は続いた。
 ──それから一週間が経つまでは。

「あの、兄さん。いる?」

 もうすぐ寝ようと思い、自室のベッドでスマホをいじっていた時だった。入口のドアがノックされた。

「いるよ。どうしたんだ、優香?」

「えっと、ちょっと相談したいことがあって……。入っても、いい?」

 相談。その言葉に、一週間前の告白の件を思い出す。
 少し不安になったが、聞かないでいるのはもっと不安だ。いいよ、と答えて優香を招き入れた。

「ごめんね、突然」

「別にいいよ。ほら、こっちきな」

 ドアを開けて入ってきた優香は、とてとてと歩いてきて僕の隣に座った。そうして、並んでベッドに座って少しの時間が過ぎる。

「あ、あのね、兄さん」

 意を決したように優香が口を開く。それで僕も少し身構えた。

「この前、告白された、って話、覚えてる?」

「……ああ。覚えてるけど」

 なるべく平静を保って答えた。やっぱり、という気持ちと一緒に不安感が襲う。

「今日また告白されたの。今度は直接。『好きです。付き合ってください』って」

 優香の顔を盗み見ると、わずかに頬を染めていた。それは単に恥ずかしいだけなのか、それとも嬉しさなのか。後者でないことを祈りながら聞き返す。

「返事はしたのか?」

「ううん。まだしてない。……ちょっと、迷ってて」

「迷ってる?」

 思わず優香を見て聞き返した僕に、優香はうん、と控えめに頷いた。

「その、二回も告白してくれて、それに今度は直接でしょ? 結構、真剣に思ってくれてるみたいだから、その……」

 優香はその先の言葉を言い淀んだ。僕は聞かずとも、それがなんなのか理解してしまった。

「──付き合って、みようかなって」

 頭が真っ白になった。
 今まで僕はどこかで安心していたから。優香はまだ子供だから、そんな風に考えないだろうと。
 でも、隣にいる妹は言った。付き合ってみようかな、と。他の、僕以外の誰かと付き合ってみようか、なんてことを。

「……この前も言ったじゃないか。優香にまだそういうのは早いよ」

「で、でも私だっていつまでも子供じゃないもん。もっと大人っぽいことしたいの」

 少し拗ねたような口調で優香は言った。
 優香がこんな風に自分の意思を強く持つところなんて初めて見た。それは喜ばしいことのはずなのに、僕はそれがどうしようもなく悲しくて、不安だった。

「大人っぽいこと、って……どんな」

 僕にそう聞かれた優香は、「えっ」と驚いて少し固まった。だがやがて、もじもじと目を伏せながら口にした。

「……その、エッチなこと、とか」

 がん、と頭を何かで殴られたみたいだった。優香の顔が直視できない。まともに頭が働かない。
 優香は今なんて言った。「エッチなことがしてみたい」だなんて、いつからそんなこと考えるようになった。

「あ、あの、兄さん? なんか、怖い顔してる……」

 気づくと、優香が心配そうに僕の顔を覗き込んでいた。
 さら、と枝垂れる濡れた黒髪、鮮やかな色の唇が目に入る。それが、全部誰かのものになることを想像してしまう。
 嫌だ。そんな、僕から離れてどこかへ行ってしまうなんて、そんなの嫌だ。

「優香──!」

 もう僕は自分が抑えられなかった。気づけば、僕の前にはベッドに押し倒された優香の姿があった。

「にい、さん……?」

 優香は困惑と怯えの混じった表情を浮かべている。ずきん、と胸が痛む。
 妹にそんな顔させちゃいけない。何より兄である僕が。
 だけど、それでも僕は優香を僕のものにしてしまいたかった。

「エッチなことくらい、僕が教えてやる」

「え──」

 僕はそんなことを勝手に言い放ち、彼女の唇をふさいだ。その瞬間、なぜか優香は少しだけ微笑んだ気がした。

「ん……っ!」

 あの時と同じ行為。だけど今回のほうがより深い。
 驚いて固まっている優香の唇を強引にこじ開けて、無理やり口内に舌をねじ込ませた。

「んっ、ぁ、アっ……! ん、ふぁ、ん、む──っ」

 くちゅ、と僕たちの舌先が触れ合う。たったそれだけのことなのに、全身を快感が駆け抜けた。
 その感覚に一瞬で虜になった僕は、より深く突っ込んで絡ませた。唾液で濡れた優香の舌は、何の工夫もなく擦るだけで気持ちがいい。

「ん、あっ、にい、ふぁっ……! ん、む、ンっ……!」

 そうして僕が口の中を貪るたびに、優香は可愛い声を漏らす。何年も一緒にいるのに初めて聞くその声に、兄が妹に抱いちゃいけない感情を昂らせてしまう。

「ぷ、はぁ……っ、は、ぁ……にい、さん……」

 唇を離す。僕が口を塞いでしまったから、優香は荒い吐息を繰り返している。
 その呼吸で、彼女の控えめに膨らんだ胸が上下しているのが扇情的だった。そして、惚けた瞳で僕を見つめたまま、優香は口からだらしなく唾液をこぼしていた。

「だめ、だよ……にいさん……私たち、こんなこと、しちゃ……」

「っ……! こういうコト、したいって言ったのは優香だろ」

 勝手な言い訳をして、むにゅ、と片手で優香の胸を包んだ。特別大きいわけでもない僕の手でも十分包み切れるそれは、見た目よりずっと柔らかかった。

「ぁ、んっ……!」

 僕のその乱暴な行為に、優香は甘い声とともに体を震わせた。
 わずかな反応なのに、僕の心臓はどくん、と跳ねた。僕の手で、妹が感じてくれた。それだけで、征服欲と支配欲がぐつぐつと湧き上がってくる。

「あ……っ、兄、さん──パジャマ、脱がしちゃ……」

 ぷちぷちとボタンを外して、ピンクの寝間着をはだけさせた。
 触らずともわかる、すべすべとした素肌。極上の絹のように白く細い体は、神聖さすら感じられる。
 未成熟ながら女であることを証明するように膨らんでいる胸は、薄桃色の下着に守られていた。それを、ぐい、と上にずらす。

「にい、さん……ぁ、めくっちゃ、だめ……」

 優香がか細い声で口にするが、もう遅い。僕の目には、小さく膨らんだ胸の頂点にある桃色の乳首までさらされている。
 もう優香は、女の体に成長し始めている。あと二年もすれば、誰もがうらやむ肢体に成長するだろう。

「あっ……兄さんっ、ぁ、ア、んっ、は、あ……」

 その胸に顔をうずめて舌を這わせた。もう片方の乳房には手を添えて、軽く揉んでやる。
 少女らしい、だけどどこか大人の色気を孕んだ声を漏らす優香。それに刺激されて、僕の中の情欲がめらめらと燃え盛っていく。

「んっ、あ、だめ、ぁ、アっ、にい、さぁんっ……だめ、だよっ……んっ、あっ、あ……!」
 
「どうして。そんなに気持ちよさそうなのに」

「だって、ぁ、だって私たち、ぁ、あっ……!」

 最後まで言わせない。乳首を口に含んで、思い切り吸い上げた。
 びくびく、と激しく体を痙攣させる優香は、たまらないといった様子で快楽によがっている。
 もう、我慢なんかできない。その、快楽にゆるんだ顔も、気持ちよさそうに震えるカラダも、全部僕のものにしたい。
 汚したい。犯したい。めちゃくちゃにしたい。僕の頭の中は妹への劣情でいっぱいだった。

「え、兄さん……ずぼん、なんで脱いでるの……?」

 下着ごと下にはいているものを脱ぐ。妹を愛撫しているだけで昂った剛直が、びん、と勢いよく顔を出した。

「ぁ……兄さんのおちんちん……そんな、おっきく……」

 それを、魅入られたような表情で見つめられる。その視線に構わず、今度は優香のズボンに手をかけた。

「あ……」

 恐怖か、それとも期待か。優香の小さな声が漏れた。
 ずる、と脱がすと、可愛い下着がさらされた。その股布の部分は、優香の情欲でじんわりと染みが広がっていた。

「濡れてる……。優香もそういう気分なんだろ……?」

「だ、だって……兄さんに、触られるの──きもち、よかったから……」

 どく、と鼓動のギアが一つ上がる。優香は無意識で言ってるのか。
 もう僕もたまらず、一気に下着まで脱がした。

「ゆう、か」

 外気に晒される、優香の一番大切なところ。まだ毛も生えてなくて、濡れた割れ目がくっきりと見えている。
 まだ誰も受け入れたことのないそこへ、ぴと、と自分のを触れさせた。

「ぁ……にい、さん……あっつい──」

 体の中で一番敏感なところだから、ただ触れただけでもぞくん、とする。それも、実の妹の秘部だ。
 こんなこと間違ってる。でももう止まれなかった。

「挿れ、ちゃうの……? 私たち、兄妹、なのに……せっくす、しちゃうの──?」

 さっきまで考えないようにしていたことを口に出される。それで少しだけ躊躇した。
 実の妹なのに。兄妹なのに、交わるなんて。
 でも。優香を僕のものにするにはこれしかないんだ。

「ああ。優香だって、シたいんだろ……?」

 覆いかぶさって、優香の顔に至近距離でささやいた。
 僕は卑怯だ。この行為の言い訳を彼女に求めるなんて。

「それ、は……」

 気まずそうに優香は目をそらした。はっきりと否定はしない。むしろ、望んでいるようなその反応。

「じゃあ、挿れる、から……」

 それで最後の枷は外れた。
 優香の細い腰をつかんで、そこへずぷ、と突き入れていく。

「んぁ、アっ……!」

 入るか不安になるくらい優香の入り口は小さかったけれど、僕の形に広がって受け入れてくれた。初めてだからすごくきついけど、ちゃんと入っていく。
 ずぶ、ずぶ、と彼女の肉を割いて、奥へと突き進む。その途中、ぶち、と何かを破る感覚があった。

「ぁ、あぅっ……! ぁ、あっ、兄さん、ぁ、ん、は、ぁ……あ、う……っ」

 びくびくと強く跳ねる優香の体。それは処女膜を失った痛みなのか、それとも別のものなのか、僕にはわからなかった。
 ただ、優香はやめてと言わない。ただ、とろけきった瞳で僕を見つめてくるだけだ。
 だから僕もやめない。そのままぐい、と掴んだ腰に僕のを突き入れて奥まで挿入した。

「んぁあっ……! ぁ、ん、っあ、ア……にい、さんの、おちんちん……ナカ、いっぱい……」

 震える声で、陶酔するように優香は呟いた。その表情に悲しみや苦痛はなく、初めての感覚によがっているようにさえ見えた。
 そんな様子に、妹を犯したいという気持ちがより燃え上ってしまう。汗ばんだ華奢な体も、僅かに血が滲む、愛液でどろどろの蜜壺さえも。

「優香、動くよ」

「え──あっ! ん、ぁ、あっ、ア、あんっ、ぁ、にい、さんっ、あっ、はげ、し……っ!」

 優香の腰をさらに強く掴んで、そこへ腰を叩きつけた。遠慮なんかもうできなかった。さっき処女を失ったばかりの妹の体を、凌辱するように腰を振る。
 だけど、優香は痛がる素振りを見せない。僕の動きに体を震わせながら甘い声をあげるだけだ。

「あっ、ぁ、あんっ、ふぁっ、兄さんっ、アっ! んぁ、だめ、ぁ、あっ、ダメだよ──っ、こんな、こと……っ!」

 兄妹なのにと、とろけた顔で優香は言ってくる。だがその言葉とは反対に、優香の膣内からはどろどろと愛液がこぼれ出てくる。

「そんなこと言って……っ、僕の、こんなに締め付けてる癖に……!」

「あっ、ふぁっ、だ、だってっ……っ! あんっ、ぁ、あっ、ぅあ、んっ、だって、おなか、じんじん、するからぁ……!」

 僕に犯されているというのに、優香は僕からの快感に喘いでいる。それが湧きあがらせる支配欲と、背徳感がごちゃまぜになって精液を引き上げてくる。
 このまま吐き出したい。そうして、優香が僕のものだって証明したい。
 その欲望に流されるがまま、優香の身体に好きなだけ腰を振る。膝立ちになって優香の腰を持ち上げて、ぱんぱんと生殖器を抉り込ませる。

「ふぁっ、あっ、ん、おっ! ぁんっ……ぁ、アっ、兄さんっ、あっ、あんっ、あ、おちんちん、びくびくって、ぁ、あうっ、して、る……!」

「優香、ゆうかっ! でる、このまま、出すからっ……!」

 限界まで昇りつめてくるものを我慢しながら、自分のことだけ考えて腰を動かす。それでも優香はあんあんと淫らによがって、僕の射精感を煽ってくる。
 それが一番高まった瞬間、ごちゅ、と優香の最奥に亀頭をねじ込んだ。

「優香っ、でる、イクっ……!!」

「あ、にいさんっ、ふぁ、ああっ、あぁあっ!!」

 どくん、と体の芯まで震えるような衝撃とともに絶頂した。
 びゅる、びゅるん。熱く煮えたぎったものが優香の中に吐き出される。優香はそれを甘い声を漏らして受け止めてくれる。

「っ……あっ、ア、あぁ……っ、にい、さんっ……ぁ、う……でて、る……あつ、いよぉ……っ」

 優香も一緒にイってくれたのか、ぶるぶるといやらしく体を痙攣させていた。その動きで性器が刺激されて、また奥から昇ってきた。

「っ……! 優香、まだっ、でる……」

 どぷん、どぷん。大きな快感の塊が先端を擦って、温かい膣内に注がれていく。
 今まで経験した中で一番気持ちのいい射精。それをじっくりと、射精が終わるまで堪能した。

「──ぁ、とまっちゃっ、た……?」

 互いに息も絶え絶えのなか、先に口を開いたのは優香だった。大量の精液が注がれたところをさすりながら、ぼうっと僕を見ていた。
 その姿に、段々と頭が冷静になっていく。

「ゆう、か……」

 僕は、なにをやってるんだ。実の妹を押し倒して、犯して、そして──

「優香──ごめん、ごめん……! こんな、酷いこと……」

 謝って許されることじゃない。だけど優香は、そんな僕の頬をそっと撫でた。

「だい、じょうぶ……私、まだ生理きてないから……」

「な……」

 優香が何を言ってるのか、一瞬わからなかった。
 僕を非難するでもなく、泣きわめくでもなく、大丈夫、なんて。中に出したことを安心させるための言葉を口にするなんて。

「ん……にい、さん……」

「優香? おい、優香!」

 そうしてすぐ、優香はそっと目を閉じた。それと同時にくた、と彼女の身体が脱力する。
 眠ってしまったんだ。僕があまりに無理を強いたから、まだ繋がったままなのに眠りについてしまった。

「優香……」

 すうすう、と可愛い寝息を立てる優香に、身を割くほどの罪悪感がこみあがってくる。なんでそんな安心したような顔で寝られるんだ。
 そのあと、僕は汚してしまった優香の体を拭き、服を着せて部屋に運んだ。その間もずっと優香はぐっすりと眠ったままだった。
 部屋に戻った後、僕はまた妹で自慰をした。あんなにひどいことをしたというのに、それをオカズに二回も射精した。

「……なにやってんだ、僕は」

 我にかえったあと、精液でどろどろに汚れた自分の手を見ながらそう呟いた。